https://mainichi.jp/articles/20210119/k00/00m/040/067000c
毎日新聞2021年1月19日 13時44分(最終更新 1月19日 13時53分)
石炭灰を加工した「Hiビーズ」=広島県尾道市東尾道で2021年1月19日午前9時27分、渕脇直樹撮影
石炭火力発電所から出る石炭灰を活用したアサリ資源の回復実証試験が広島県尾道市の海岸で続いている。水質浄化により生育環境の改善が期待できるといい、中国電力や広島大、市が地元漁協と連携して2022年3月まで取り組む。
石炭灰を加工したHi(ハイ)ビーズ約20トンが20年11月、尾道市東尾道の松永湾干潟にまかれた。ビーズは直径1〜5センチ。硫化水素や栄養塩を吸着し酸素量を増やす効果があるほか、アサリを餌にするエイや他の貝類の食害抑止が期待される。既に、県内の別の場所で実施された試験でアサリの生育に効果が確認されたという。
Hiビーズをまいた干潟を調査する広島大大学院の川端豊喜教授(左端)ら=広島県尾道市東尾道で2021年1月19日午前9時29分、渕脇直樹撮影
実証試験では約150平方メートルの干潟を@従来のままAビーズのみB従来の土壌とビーズの混合――の3区画に分け、アサリの定着や水質の違いを比較分析して有効性を確認する。19日に現地調査をした広島大大学院の川端豊喜教授(水産学)は「アサリだけでなく干潟の生物の宝庫になれば」と話した。
尾道はかつて県内最大のアサリ産地として知られ、1988年の漁獲量は1746トンと県全体の8割を占めた。その後水揚げは減り、2014年はわずか20トンに。観光潮干狩りの名所だった松永湾の「山波(さんば)の州」では15年から禁漁が続いている。松永湾水産振興協議会会長の吉岡照明・浦島漁協組合長は「浦島漁協の試験でビーズの有効性を確認しており、早期の実地導入を期待している」と話している。【渕脇直樹】
毎日新聞2021年1月19日 13時44分(最終更新 1月19日 13時53分)
![火力発電所の石炭灰をアサリ資源の回復に活用 広島・尾道で実証試験 [ひよこ★]->画像>2枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/01/19/20210119k0000m040063000p/9.jpg)
石炭灰を加工した「Hiビーズ」=広島県尾道市東尾道で2021年1月19日午前9時27分、渕脇直樹撮影
石炭火力発電所から出る石炭灰を活用したアサリ資源の回復実証試験が広島県尾道市の海岸で続いている。水質浄化により生育環境の改善が期待できるといい、中国電力や広島大、市が地元漁協と連携して2022年3月まで取り組む。
石炭灰を加工したHi(ハイ)ビーズ約20トンが20年11月、尾道市東尾道の松永湾干潟にまかれた。ビーズは直径1〜5センチ。硫化水素や栄養塩を吸着し酸素量を増やす効果があるほか、アサリを餌にするエイや他の貝類の食害抑止が期待される。既に、県内の別の場所で実施された試験でアサリの生育に効果が確認されたという。
![火力発電所の石炭灰をアサリ資源の回復に活用 広島・尾道で実証試験 [ひよこ★]->画像>2枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/01/19/20210119k0000m040064000p/9.jpg)
Hiビーズをまいた干潟を調査する広島大大学院の川端豊喜教授(左端)ら=広島県尾道市東尾道で2021年1月19日午前9時29分、渕脇直樹撮影
実証試験では約150平方メートルの干潟を@従来のままAビーズのみB従来の土壌とビーズの混合――の3区画に分け、アサリの定着や水質の違いを比較分析して有効性を確認する。19日に現地調査をした広島大大学院の川端豊喜教授(水産学)は「アサリだけでなく干潟の生物の宝庫になれば」と話した。
尾道はかつて県内最大のアサリ産地として知られ、1988年の漁獲量は1746トンと県全体の8割を占めた。その後水揚げは減り、2014年はわずか20トンに。観光潮干狩りの名所だった松永湾の「山波(さんば)の州」では15年から禁漁が続いている。松永湾水産振興協議会会長の吉岡照明・浦島漁協組合長は「浦島漁協の試験でビーズの有効性を確認しており、早期の実地導入を期待している」と話している。【渕脇直樹】